カジノディーラーはゲームの進行役になる人のことです。
カジノのテーブルゲームにおいてルーレットを回したり、プレイヤーにカードやチップを配りゲームをスムーズに進めるディーラーはかっこいいですよね。
でも、日本ではカジノは違法になるのに、ディーラーには違法性はないのか気になりませんか?
今回はカジノディーラーに違法性がないのか調べてみました。同時にカジノディーラーの現状や今後の需要についてもご紹介します。
カジノの違法性に関する情報は以下の記事でもまとめているので参考にして下さい。
カジノディーラーの仕事とは?

カジノディーラーはカジノでのゲームの進行をする仕事です。
主役はプレイヤー達なのでディーラーの立ち位置は縁の下の力持ちといったところですが、エンタテインメントにおいては実は主役という裏の顔も持っている面白さがあります。
カジノディーラーの主な仕事は以下の通りです。
- プレイヤーにカードを配る
- ルーレットを回す
- 瞬時に配当金を計算してプレイヤーに配る
- プレイヤーのベットを受け付ける
- スムーズにゲームを進行させる
- プレイヤーのイカサマやルール違反の監視をする
- ゲームを盛り上げる
ただ、ゲームの進行をするだけではないスキルが必要な仕事です。
自分がカジノのルールを理解していることは大前提で、カードのシャッフルディーリング(カードさばき)や計算能力・英語力なども絶対になければいけません。
ディーラーとしての仕事はプレイヤーや見ている人を楽しませることも含まれます。
ただ単に平然とディーラーとしての役割をこなすのではなく、演出も入れながら場をゲームを盛り上げるという重要な仕事もあるのです。
華やかなカジノディーラーの仕事は、じっくり見るとかなり奥が深いと言えますね。
カジノディーラーに違法性はあるのか?

気になるのがカジノディーラーに違法性があるのかということです。
現在の日本の法律では、金銭や景品を賭けてカジノゲームをプレイするのは違法です。賭博罪に該当するので、摘発される可能性があります。
また、サービスを提供したカジノ店側も賭博開帳図利罪となり3ヶ月以上5ヶ月以下の懲役が課されます。
ではカジノディーラーの場合はどうなるのでしょうか。2022年10月16日に摘発された東京・上野のカジノ店のニュースを見て下さい。
東京・上野の繁華街で違法なカジノ店を開いたとして、警視庁は、店長の男(55)を賭博開帳図利の疑いで、ディーラーの男(40)ら男女9人を同幇助(ほうじょ)容疑でそれぞれ16日に現行犯逮捕し、18日発表した。10人とも容疑を認めているという。
出典:朝日新聞
カジノディーラーの男性も現行犯逮捕されています。
ディーラーは店側の人間ということになるので「賭博開帳幇助または賭博開帳図利罪」が適応されるのです。
違法カジノ店のディーラーとして働いているということは、金銭や景品を賭けてプレイすることを知っているはずなので罪からは逃れようがありません。
アミューズメントカジノディーラーに違法性はない
一方で、アミューズメントカジノ店のディーラーには違法性はありません。
アミューズメントカジノ店はカジノゲームが楽しめるお店であることは間違いないのですが、金銭を賭けてプレイしたり景品を賭けることがないからです。
開業者は必ず警察署や都道府県に届け出を行い、許可を得てから営業しています。
- 営業許可の申請希望を提出する
- 事前調査が行われる
- 申請書類の作成を行う
- 浄化協会による実査が行われる
- 営業許可証が交付される
たった5つのステップをクリアすればいいだけのように見えますが、それぞれの審査が厳しく、数多くある条件をクリアしない限りは営業許可はもらえません。
周辺に教育の場がないか・申請者に犯罪歴がないかなどだけでなく、店内の証明のルクスにまで条件があるほどです。
厳しい審査を受けてきちんと営業が許可されているアミューズメントカジノ店であれば、カジノディーラーも違法性を心配することなく仕事ができますよ。
ただ、アミューズメントカジノの数は急増しているとはいえ、ディーラーの求人は少ないです。
日本国内で違法性がない店でカジノディーラーとして働きたいと考えているのであれば、お住まいのエリアにもよりますが狭き門になる可能性が高いでしょう。
基本的にカジノディーラーの人は、違法性がない海外勤務を視野に入れているようです。
オンラインカジノディーラーはグレーゾーン
最近、芸能界や野球界で利用している人が続々と発覚して話題になっているオンラインカジノ。
もちろん日本では違法なので日本の業者ではありません。海外のオンラインカジノ業者へアクセスをし金銭を賭けて遊ぶので、以前はグレーゾーンと言われていました。
でも、現在では警察庁からの警告も出ていて、オンラインカジノも違法だと注意喚起されています。
最近では政府からも公式サイトで注意喚起されていて、実際に摘発を恐れたライトユーザー達は一気にオンラインカジノから撤退し利用者が減っているそうです。
【オンラインカジノの利用は犯罪】
オンラインカジノの利用は賭博罪や常習賭博罪に当たります。刑法第185条では「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。」とされ、第186条では「常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。」とされています。
また、日本国内でオンラインカジノの入金や出金といった決済に関与したり、広告・宣伝してオンラインカジノに誘い入れたりすると、「賭博幇助」などの罪に問われることがあります。
ただ、海外のオンラインカジノ業者自体に違法性はないので警察も取締りのしようがありません。
オンラインカジノを利用したプレイヤーや、サイトやSNSを利用して宣伝活動(アフィリエイト等)を行った人が摘発の対象になるのです。
海外オンラインカジノのカジノ動画配信ディーラーとして勤務するAさんは、取締が強化されている現在の状況に少し不安を感じていると語っていました。
マルタ共和国でカジノ動画の配信を行っている会社『X』の社員ディーラーとして働くAさんは、この現状に一抹の不安を感じているようだ。
「私としては、やましいことは何もない。日本の警察が国内のプレイヤーや協力業者を摘発することは、私とは関係のない世界線の話だと思っています。
ただ、日本に帰ったらもしかしたら逮捕されるかも、という怖さはあります」
出典:NEWSポストセブン
海外でカジノディーラーとして働いているうちはまだよくても、日本に帰国した時に罪に問われるかもしれないという怖さがあるそうです。
今のところ海外のオンラインカジノ業者で働くディーラーが違法なのかどうかは、かなり微妙なところ。
そのうちいきなり摘発の対象になる可能性もあるので、100%違法性はないと言い切ることはできません。
違法性がない安全な環境でカジノディーラーとして働いていくのであれば、国内のアミューズメントカジノ・カジノバーなど、許可を得ている店での勤務しかないでしょう。
カジノディーラーの今後どうなる?

どうしても違法性が気になってしまうカジノディーラーですが、今後は需要が拡大すると言われています。
その理由は日本にもIRが作られることになったからです。現在、日本初のIRとして大阪の夢洲で建設作業が進められています。
万博博覧会の開催期間と建設工事が重なるため完成までの期間が延長され、開業予定は2030年です。
大阪IRのカジノではカジノテーブル・電子賭博機は、かなりの数が導入される予定となっています。
カジノテーブル | 470台 |
---|---|
電子賭博機 | 6400台 |
電子賭博機はスロットなどのマシンなどのことです。
注目すべきはカジノディーラーが配置されるカジノテーブルが、なんと470台もあるということ。かなりの人数のディーラーの雇用が必要になりますよね。
フル稼働だとしても470人のディーラーが必要ですが、休みや交代を考えると台数以上のディーラーが必要です。
予想では6000人以上のカジノディーラーの雇用が見込まれているそうです。
今後、カジノディーラーの需要が高まると言われているのは、大阪IRの開業を控えているから。すでに求人を待っているディーラーの方もいるのかもしれませんね。
大阪IRについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にして下さい。

大阪IR開業以降もカジノディーラーの需要はある
大阪IRが開業すればディーラーの需要が落ち着くとは限りません。
実は日本のIR法案では「国内のIR施設は3ヶ所まで」と決められているので、大阪IRを除くとあと2ヶ所でIRの建設ができるのです。
今のところは話は進んでいない状態ですが、IR誘致に立候補している都道府県はあります。
残り2ヶ所のIRのカジノの規模やカジノテーブルの台数などはまったく予想ができませんが、大阪IRと同じ規模で建設されればカジノディーラーはかなりの人数を集めなくてはいけませんよね。
- 470台のカジノテーブル✕2ヶ所=940台
- カジノディーラー500人✕2ヶ所=1000人
余裕を持ってディーラーを500人雇用したとしても、2ヶ所のIRで最低でも1000人は必要になります。
このようにもし残り2ヶ所のIRが作られることになれば、カジノディーラーの需要は益々高まり、もしかすると足りないという可能性も出てくるでしょう。

カジノディーラーの違法性についてのまとめ
今回はカジノディーラーの違法性についてご紹介しました。
もう一度カジノディーラーの「違法と合法」について、復習しておきましょう。
- 違法カジノ店のディーラーは違法
- アミューズメントカジノやカジノバーのディーラーに違法性はない
- 海外オンラインカジノのディーラーはグレーゾーン
今後より取締りが厳しくなり、海外オンラインカジノでディーラーとして働く日本人も摘発の対象となる可能性があることは覚えておいて下さい。
現在、日本ではIR建設が進められているので、国内でディーラーとして働ける可能性が高まっています。
まずは経験を積んでおきたいという人は、アミューズメントカジノやカジノバーなどの違法性がない店のディーラーとして勤務をするのがおすすめです。