多くの人が注目し、話題になっているIR(総合型リゾート)。
IRといえばカジノというイメージができていますがカジノ単体ではなく、ホテルや国際会議場などの他の施設を集合させた複合型の施設のことです。
みなさんがよく目にするラスベガス・マカオなどのきらびやかな施設をモデルに考案されています。
現在アミューズメントカジノやカジノゲームをプレイしている人は、IRが完成したらぜひ利用したいと思っている人もいるでしょう。
そこで今回はIRとは何なのか?カジノが日本で合法になるのかなどを詳しく解説します。
IRとは?日本の財政の活性化が目的の施設

IRは「Integrated Resort」の略で、正式には特定複合観光施設のことです。
ホテルからショッピング・仕事・食事など、様々なジャンルの施設を1ヶ所に集めることにより、日本に訪れた観光客や国内からの観光客が滞在型でゆっくり楽しめることを目的としています。
IRには1号から6号までの施設が集められます。
種類 | 目的 | 施設 |
---|---|---|
第1号 | 国際会議の誘致促進 | 国際会議場 |
第2号 | 国際的な展示会の開催 | 展示場 |
第3号 | 伝統や文化などの魅力を伝える | アリーナ・劇場 |
第4号 | 国内観光の促進 | コンシェルジュ |
第5号 | 利用者の宿泊 | ホテル |
第6号 | 国内外からの観光客の誘致 | 上記以外の施設 |
たとえ会議や展示会などの仕事でIRを訪れたとしても、仕事の後は劇場で日本文化を楽しんだり、カジノで思う存分ストレスを発散することもできるようになっているのです。
コンシェルジュがいるので、宿泊の手配や荷物の運送・観光地の提案など全てのサービスを請け負ってもらえます。
国内からの集客というよりも、インバウンドを狙ってカジノを含む第6号は配置されています。
カジノやショッピングエリアで得た利益は国やIRがある地域の税収入です。また、IRだけではなく周辺地域での消費も見込まれています。
日本を地域を活性化させるため・これ以上景気を悪くさせないために1つのエリアで消費が行われるIRが作られることになったのです。
日本初のIRは大阪に決定!
日本初のIRは大阪に決定しており、2029年~2030年秋ごろに開業を予定しています。
最初にIRについての話し合いが行われたのが2002年でした。莫大な予算がかかる大きな計画なので時間がかかるのも当然ですが、カジノのルールを決めるなど話し合うポイントが多いのも時間がかかる要因です。
他にも新型コロナウイルスの流行によっても、IR計画は遅れてしまいました。
- 2002年:IRについての話し合いが実施される
- 2013年:IR推進法案を国会へ提出
- 2015年:再びIR推進法案を国会へ提出
- 2016年:IR推進法が成立
- 2018年:IR実施法案が成立
- 2023年:大阪夢洲IR計画が国の認定を受ける
日本初となる大阪のIR計画が国に認定されるまでに、かなりの時間がかかっています。
開業まであと5年もありますが、営業が始まれば年間の経済効果は1兆円を超えると言われているほどです。全体の70%から80%がカジノによる利益だと言われています。
IRの施設の中でも特に注目されているカジノ。
皆さんが気になっているのは日本ではカジノで金銭を賭けることは違法になることですよね。次は、IRのカジノはどのようなサービスなのかを掘り下げていきましょう。
IRのカジノは日本人は条件つきで合法化されている

IRのカジノは当たり前ですが金銭を賭けても違法にはなりません。
2021年7月に閣議決定されたIR整備法には「国からの認定を受けている事業者である場合、カジノゲームで金銭を賭けても賭博罪を適応しない」と書かれています。
よって、IRでカジノの運営をする業者は、国からの認定を受けていることが必須です。
賭博罪を適応しないカジノなので、利用する日本人には条件があります。
- 日本人は入場料6,000円を支払う(国と都道府県へそれぞれ3,000円)
- マイナンバーカードによる本人確認をする
- 1週間に3回までしか利用できない
- 月10回までしか利用できない
- 日本人はクレジットカードでチップが購入できない
- 家族による入場制限もできる
誰でもいつでも簡単にカジノを利用できる訳ではありません。
IRの開業に合わせて「大阪依存症センター(仮称)」の設置も予定されていて、ギャンブル依存症への救済の準備も行われています。IR内には24時間365日受付の相談窓口も設置するそうです。
最先端のICT技術の導入により入場管理も徹底しているので、のめり込みすぎの防止対策も完璧です。
以上のようにICTやスタッフによる厳しい管理体制のもとでカジノを利用するので、逆にギャンブル化しないのではないかという期待の声も上がっていました。
IRとオンラインカジノは無関係
IRで金銭を賭けたゲームができるようになれば、オンラインカジノも合法になるのでは?という人もいます。
ただ、法案の内容を見る限りオンラインカジノには一切触れていないので、あくまでもIRのカジノで許可されただけです。オンラインカジノには変わらず賭博罪が適応されます。
基本的にIRは外国人観光客がメインターゲットなので、日本人への制限は多かったですよね。
国はIRを認めたのはあくまでもインバウンドによる税収アップのためであり、賭博を認めたことではないようです。
IRの例をマリーナベイサンズで見てみよう

日本のIRはまだ未完成なので、なかなか想像がつきません。
そこですでに世界で運営されているIRを例に見ていきましょう。今回は日本が参考にしたシンガポールのマリーナベイサンズをピックアップしました。
わざと傾けて設計された特徴的な建物は、シンガポールの象徴と言われています。
マリーナベイサンズのカジノも日本のIRと同じように利用制限があります。
- ドレスコードあり
- 年齢制限あり
- パスポート必須
- 写真撮影不可
- 外国人は入場料無料
ドレスコードと言っても堅苦しいものではなく、カジュアルすぎなければ大丈夫です。
男性はシャツやポロシャツにパンツ、靴はスニーカーなどカジュアルなものでも問題ありません。女性はワンピースやブラウスにパンツまたはスカートというスタイルでいいでしょう。
マリーナベイサンズには21歳以上しか入場できません。
シンガポールではカジノに入場する外国人は必ずパスポートを提示することが法律で決まっているので、忘れないように持参して下さい。
カジノにはスマホやカメラは持ち込めますが、撮影はできません。
日本のIRと同じように現地の人達は1万円弱の入場料が必要になるようですが、外国人は無料で入場できるので見学だけする人も多いそうです。
IRのカジノのプレイ予算は?
日本のIRがどの程度の最低賭け金で設定されるかは分かりません。
ただ、海外のIRを参考にしていることから、同じレベルでの最低賭け金で設定されるのではないかと予想されます。マリーナベイサンズの最低賭け金は以下の通りです。
ゲーム | 最低賭け金 |
---|---|
ブラック・ジャック | 50シンガポールドル(約5,716円) |
ルーレット | 5シンガポールドル(約572円) |
スロット | 10セント(約15円) |
シックボー | 25シンガポールドル(約2,858円) |
バカラ | 50シンガポールドル(約5,716円) |
マネーホイール | 10シンガポールドル(約1,143円) |
ポンツーン | 25シンガポールドル(約2,858円) |
タイサイ | 25シンガポールドル(約2,858円) |
クラップス | 10シンガポールドル(約1,143円) |
他にも様々なゲームがありますが、基本的に10~50シンガポールドルからプレイできます。
どのゲームをプレイするのか・どの程度の時間滞在するのかなどにもよりますが、基本的に5万円~10万円の予算があれば十分に楽しめるそうです。
日本のIRには設置されるのかは分かりませんが、シンガポールのIRには特別な会員証を持っているVIPプレイヤーだけが入場できる部屋があります。
頑丈な扉の向こうは厳重なセキュリティで管理されているので、どうなっているのか分かりません。
VIPルームでのカジノでは高額な賭け金でゲームがプレイされているとの噂も出ていました。
IRカジノのドリンクバーは無料
マリーナベイサンズのカジノ内にはドリンクバーがあり、無料で利用できます。
日本のIRにも設置される可能性は高いです。海外ではソフトドリンクや水などが提供されているようですが、日本では日本らしいお茶などが提供されるのでしょうか。
カジノ内には数店舗ですが飲食店もあるので、食事も可能です。
長時間カジノに滞在したとしても、食べ物や飲み物に困ることはなさそうですね。
また、IRなのでカジノから出て好きなレストランなどに入って食事をすることもできます。IR内の移動で済むので、食事が終わったらすぐにカジノに戻ってゲームの再開もできるため、時間の有効活用が可能です。
監視カメラの数がとても多い
カジノ内にはかなりの数の監視カメラが設置されています。
日本のIRが条件つきで合法化されたというところで解説した通り、機械と人のダブルチェックによって動きは監視されているのはどこの国のIRでも変わらないようです。
カジノの中で犯罪行為や不正行為が行われるのを防ぐためなので仕方ないですね。
スリや詐欺行為などの犯罪が多いので、被害にあう観光客が出ないようにするための対策でもあるそうです。
実際に海外のIRカジノでプレイに夢中になっていてバックのチャックが空いていることに気づかず、ゲームが終わった時には財布がなくなっていたという経験をした日本人がいました。
IRでは様々な国の人が入り乱れるので、貴重品の自己管理は徹底しておきましょう。
IRについてのまとめ
多くのプレイヤーが注目するIRについてご紹介しました。
2030年開業予定ですが大阪万博の開催によってさらに遅れる可能性も示唆されており、いつIRが利用できるようになるのかは明確な日にちが出ていません。
ただ、海外のIRを見ても分かるように、カジノファンなら一度は絶対に行きたい施設です。
自己管理が徹底できる人なら安全に楽しめるでしょう。カジノゲームやアミューズメントカジノでは味わえない新しい体験があなたを待っています。