ポーカーは相手のプレイスタイルにアジャストできると勝率が上がると言われています。
アジャストとは「適応させる」ということです。
プレイスタイルが理解できていれば相手に合わせるだけではなく、自分の印象を操作することもできるのでゲームの主導権を握れることも。
今回はポーカーの4種類のプレイスタイル【ルース・タイト・パッシブ・アグレッシブ】の特徴や組み合わせ、極め方についてご紹介します。
ポーカーの勝ち方とプレイスタイルの関係
ポーカーでは最も強いハンドを完成させたプレイヤーが勝ちです。
ただ、ハンドの内容に関係なく「自分以外のプレイヤーが全員フォールドした」場合も勝ちとなります。
他のプレイヤーをフォールドさせるには「あの人は強いハンドかもしれない」と思わせるプレイスタイルが有利です。
ショーダウンまでもつれ込んだ時に勝てなさそうな弱いハンドでも、相手に強いハンドかもしれないと思わせてフォールドさせるブラフというテクニックがあります。
ポーカーで勝つためには、状況に応じて相手に自分のハンドの強さを読ませないプレイスタイルの組み合わせを目指しましょう。
慣れてきたらブラフも使いながら勝ちを狙ってみて下さい。
ポーカーの役の強さ「ハンドランク」については、以下の記事で詳細を解説しています。
ポーカーの4種類のプレイスタイル
ポーカーには4種類の基本プレイスタイルがあります。
- ルース
- タイト
- パッシブ
- アグレッシブ
プレイスタイルによって、それぞれ強気だったり保守的だったりと戦い方の特徴が変わります。
まずはポーカーの基本のプレイスタイルを詳しく見ていきましょう。
ルース
ルーススタイルは「Loose」のことで、日本語では緩いという意味があります。
ポーカーのルーススタイルはゆったりとプレイする・自由にプレイするのが特徴です。ハンドが弱くてもゲームに参加する傾向があります。
- ハンドが弱くても強くてもゲームに参加する
- なかなかフォールドしない
ハンドが弱くても参加するので、ルーススタイルではブラフを使わなければいけないシーンが多々でてきます。
うまくブラフを使うスキルに加えて運要素も加わり、失敗すると大損になることも。
ベット・レイズ・コール・フォールドなどの判断が、しっかりできると自信を持って言える人以外にはおすすめしないプレイスタイルです。
ルーススタイルは基本的に上級者に使われています。
【ルースが有効になる例】
- ハンドが弱くても参加するのでチップを入手できるチャンスが増やせる
- 自由なプレイスタイルで手札が読みにくいのでハンドの強さを隠しながらプレイできる
- 慎重派のタイトが相手だと勝手にフォールドしてくれるので勝てることがある
タイト
ルースの反対のプレイスタイルがタイトスタイルです。
堅実にポーカーに参加するプレイスタイルなので、初心者プレイヤーにおすすめされています。
しっかりとハンドレンジ(ゲームに参加するしないを決める手札の範囲のこと)を守って参加するので、強いハンドの時だけ参加するのが特徴です。
- ハンドに一定以上の強さがないとフロップ以降に残らない
- 負ける確率が高まったと判断すると早めにフォールドする
初心者同士のテーブルではタイトスタイルが有利になることが多いです。
強いハンドでしか勝負をしないので、ショーダウンまでもつれ込んでも負けにくいメリットがあります。
ただ、まわりのプレイヤーが中級者・上級者の場合はタイトスタイルで参加すると、初心者であることに気づかれてしまうこともあります。
ハンドを読まれやすくなるので、相手の方が1枚上手だったという状況になりやすいです。
【タイトが有効になる例】
- 強いハンドで勝負するので負けにくい
- フォールドも早いのでチップが減るリスクが低い
- リングゲームでのプレイ(成績が安定するから)
パッシブ
パッシブスタイルはベットアクションが消極的なプレイスタイルです。
自分からどんどん攻めてプレイするのではなく、基本的に受け身なのでゲームの状況に合わせたベットアクションで対応していきます。
無理のないゲームをするのがパッシブスタイルの大きな特徴です。
- レイズ・リレイズをほとんどしない
- チェック・コールの頻度が高い
基本はコールですが、強いハンドの場合はレイズするケースもあります。
他のプレイヤーから強気で攻められた場合は、自分のハンドが強くない限りはフォールドをするのも特徴です。
あまりおすすめされていないポーカーのプレイスタイルですが、大きく賭けないので負けたとしても損失が抑えられるメリットがあるプレイスタイルです。
【パッシブが有効になる例】
- 強いハンドであることがバレにくい
- ブラフを使って強気のプレイヤーからチップを引き出しやすい
アグレッシブ
アグレッシブスタイルは積極的にゲームに参加するプレイスタイルです。
受け身にならずに攻めることが中心なのでパッシブスタイルのプレイヤーとは正反対で、チェックやコールをはあまりしないのが特徴です。
- ベットアクションを頻繁に行う
- レイズ・リレイズが多い
- チェック・コールをほとんど行わない
ポーカーで勝っているプレイヤーに多いプレイスタイルですが、判断力やスキルが必要なので中級者・上級者におすすめします。
攻めたプレイスタイルですが、フォールドやベット額の調整が一切ない訳ではないからです。
相手をフォールドさせる・ショーダウンで勝つのどちらともを狙っていける戦い方なので、一定以上のスキルを獲得して自信が持てるようになったら導入してみましょう。
【アグレッシブが有効になる例】
- タイトなプレイヤーが多いとポットを取れることが多い
- 相手のハンドをうまく読めば大損のリスクは低い
- ブラフを使い他のプレイヤーを威圧することもできる
プレイスタイルを組み合わせよう
ポーカーでは基本のプレイスタイルを組み合わせて戦うことが多いです。
プレイスタイルの組み合わせは全部で4パターンあります。
組み合わせ | 別名 |
---|---|
ルースアグレッシブ | マニアック |
ルースパッシブ | フィッシュ |
タイトアグレッシブ | シャーク |
タイトパッシブ | ロック |
プレイスタイルを組み合わせるとどのような立ち回りになるのかご紹介します。
ルースアグレッシブ
弱いハンドでも強いハンドでもゲームに参加して、積極的に攻めるプレイスタイルです。
ルースアグレッシブのプレイヤーはハンドが読みにくいうえに、ベットやレイズ・リレイズが積極的なのでゲームが荒れるとも言われています。
- どんなハンドでもゲームに参加する
- レイズ・リレイズが多い
- 安定性はないが大きく勝ちやすい
ルースアグレッシブはどんなハンドでも参加するので戦い方のバリエーションは多いですが、自分で判断するシーンが多いのでスキルだけでなく経験も必要です。
相手がルースアグレッシブだとハンドレンジが広いのでハンドの予想は難しいですよね。よって、自分のハンドが弱い時は、ブラフを使いフォールドさせないと負ける可能性が高いです。
勝つ自信がなければ、強いハンドの時だけ参加しましょう。
ルースパッシブ
弱いハンドでも強いハンドでもゲームに参加しますが、コールで追いかけるだけです。
積極的にベットやレイズ・リレイズをすることはありません。
- どんなハンドでもゲームに参加する
- 積極的にレイズ・リレイズをしない
- コールで追いかける
プレイスタイルが分かりやすいので初心者がルースパッシブで参加すると、中級者・上級者にすぐに読まれてしまいチップを奪われてしまうリスクが高いです。
ただ、ひたすらコールでゲームを追っていくので、ショーダウンで強いハンドが完成すれば勝てる可能性も残ります。
ルースパッシブは負けるプレイヤーのプレイスタイルと言われています。
タイトアグレッシブ
タイトアグレッシブは強いハンドの時だけゲームに参加します。
ポーカーの日本人プレイヤーに最も多いプレイスタイルで、勝てる時にガツガツ攻めていくタイプです。
- 強いハンドの時のみゲームに参加する
- チャンスが来るまで待ち、タイミングを見てガツガツ攻める
- 積極的にベットアクションを行う
じっくりと狙いを定めて攻めに入るので、シャーク(鮫)とも呼ばれているプレイスタイルです。
負ける確率が高いと判断するとすぐにフォールドしますが、ベットやレイズ・リレイズは頻繁に行います。
頭の回転が早く攻撃の安定性もあるので、他の組み合わせよりも安全にプレイ可能です。初心者にもおすすめされているテクニックです。
タイトパッシブ
タイトパッシブは強いハンドの時だけゲームに参加します。
ただ、積極的なベットアクションはしません。受け身なのでハンドが弱いのか強いのか他のプレイヤーが予想するのがとても難しいです。
- 強いハンドの時のみゲームに参加する
- 積極的にレイズ・リレイズをしない
- コールで追いかける
- フォールドも多い
タイトパッシブはリスク回避に重きを置いているプレイヤーに多い傾向があります。ドカンと大きく勝つ可能性は低いですが、同じく大きく負ける可能性も低いからです。
ただ、チップを増やすことがメインのリングゲームでは有効でも、賞金を増やすことがメインのトーナメントでは生き残れません。
保守的なプレイスタイルゆえにバリューベットがしにくいので、ポット額が膨らみにくく利益の最大化ができないからです。
以上のようにタイトパッシブは適度な攻撃で勝ちを丁寧に積み上げていく堅実なプレイスタイルです。
ポーカーのプレイスタイルに関わるテクニック
ポーカーのプレイスタイルが理解できたら、テクニックも覚えておきましょう。
状況によってプレイスタイルが選択できるうえに、テクニックもプラスしてより強い印象操作ができれば、自分の思い描いた展開に持っていくことができるかもしれません。
まずは覚えたい3つのテクニックをご紹介します。
アドバタイズ
アドバタイズとは日本語で「宣伝」という意味です。
自分のプレイはこうだ!という印象を相手に植え付けるための宣伝をすることをイメージして下さい。
最も低いランクで作ったワンペアでショーダウン | 本当に強いハンドの時に降ろさせないようにできる |
---|---|
Aのペアなどのプレミアムハンドでショーダウン | タイトなイメージを植え付ける |
低いランクで作ったワンペアでショーダウンすれば相手にルースなイメージを与えられるので、本当に強いハンドの時にフォールドさせないようにする効果があります。
逆にAのペアなどの強いハンドでショーダウンすれば、タイトなイメージを与えブラフをかけやすくなるのです。
アドバタイズによって印象操作ができているので、次のゲームでかなり有利になります。
ファストプレイ
ファストとは速いという意味があり、積極的にベットをして相手をフォールドさせていくテクニックです。
使いこなせるシーンは2パターンあります。
- 強いハンドを持っていない時
- ショーダウンまで行くと不利な時
共通カードの4枚目が配られる「ターン」や最後のカードが配られる「リバー」の時に、ドローを引かれるのを防止できるテクニックです。
自分が強いハンドを持っている時は使わないようにしましょう。
ポット額が膨らみにくくなってしまうので、自分にプラスになることがありません。
スロープレイ
スロープレイはその名の通り遅いという意味で、ゲームを長引かせるテクニックです。
大きなベットやレイスはせずに控えめにアクションしていくことで、他のプレイヤーをフォールドさせずにポット額を膨らませます。ポットの総取りが目的です。
高度なブラフテクニックが必要なので初心者にはおすすめしません。
まずはポットは大きく膨らまないファストプレイで小さな勝ちを積み重ねてチップを増やす方が、スロープレイよりもおすすめです。
ポーカーのプレイスタイルのまとめ
ポーカーの基本プレイスタイルと組み合わせ・テクニックをご紹介しました。
相手プレイヤーのプレイスタイルに対応できるようになったら、ゲームの中でプレイスタイルを変えながら戦うテクニックも磨いてみて下さい。
プレイスタイルを固定してしまうと相手に読まれて、逆に勝敗や獲得できるチップをコントロールされてしまいます。
- ルースアグレッシブからゲームの終局でルースパッシブに変える
- タイトパッシブからゲームの終局でタイトアグレッシブに変える
上記のように型に囚われず、状況判断ができるようになるのが目標です。
イメージするだけではなかなかスキルは磨けないので、実際にプレイをして経験を積みながら自分なりのプレイスタイルを獲得していきましょう。